牛の受精卵の凍結・移植は後継牛を作るためにとても重要な技術ですが、受精卵の品質は凍結方法(凍結保護剤組成や凍結速度)により大きな影響を受けます。
「YTフリーザー150」は低電力稼働・冷却媒体不要に加えストロー収容数を増大した専用装置で80Hzの微細振動による生存率の高い凍結方法とLABOでの大量処理を考慮した「乾式受精卵凍結装置」です。
低電力稼働
冷却媒体不要
ストロー収容数大幅アップ
製品スペック
製品名 | YT Freezer 80(型式:CPDF-80ET) | YT Freezer 150 Normal(型式:CPDF-80ET-W) | YT Freezer 150 High Power(型式:CPDF-100ET) |
冷却エンジン | [SC-TG08S] 冷却能力-80℃ | [SC-TG08S] 冷却能力-80℃ | [SC-UE15] 冷却能力-100℃ |
外形寸法 | W240×D260×H380 | W290×D308×H415 | W290×D328×H428 |
本体重量 | 約12kg | 約15kg | 約20kg |
電源 | AC100V 50/60Hz 300VA | AC100V 50/60Hz 300VA | AC100V 50/60Hz 350VA |
ストロー収容 | 外周マーカー付:30〜50本(マーカー無:60本)マーカーチップ使用不可 | 外周マーカー付:50〜70本(マーカー無:82本)50mm長までのマーカーチップ使用可 | |
温度調節精度 | ±0.1℃ | ||
冷却温度勾配 | 毎分 -0.3 ~ -0.6℃(0.01℃単位で任意) | ||
凍結完了温度 | -20.0℃~-40.0℃(0.1℃単位で任意) | ||
環境温度範囲 | 0℃~40℃(結露厳禁) |
「YTフリーザー150」の特長
ストロー収容数が最大82本
「YTフリーザー150」は「YTフリーザー80」よりもストロー収容数を大幅にアップしております。
また、50mm長までの各種マーカーチップが使用可能で多様のストローマーカーに対応しました。
「YTフリーザー150」は事務所や研究室に特化した使用を想定して開発しました。
ポータブル電源でも使用可能な低消費電力
「YTフリーザー150」の温度制御はP.I.D.制御を採用しており、従来型の主流であった「冷却パワー全開でのヒーター制御方式」に比較して、冷却エンジンとヒーターの双方を制御しているために低電力量(350VA)で稼働します。
ただし、瞬時の停電でも稼動中プログラムは停止します。
対策としてキャリングラックに組み込んだ「無停電電源装置(UPS)」を用いて予期せぬ停電への備えも可能です。
本装置は15分程度の稼動容量バッテリーを内蔵してありポータブル電源との組み合わせで停電時でも凍結処理を継続させることができます。
80Hz微細振動の乾式冷却方式で生存率を高める
心臓部の冷却エンジンは
-80℃まで冷却することができる[SC-TG08S](Normal)と
-100℃まで冷却することができる[SC-UE15](High Power)の2タイプをご用意しました。
それぞれのユニットから発生する80Hz微細振動は氷晶形成に作用して受精卵への凍結ダメージを軽減する効果が期待できます。
アルコールバスなどの冷却媒体を使用しないため、目標温度(SV値)に到達するための時間が大幅に短縮されます。
高精度の温度制御で、定温保持時の温度昇降振れはわずか±0.1℃です。
「YTフリーザー」の使用方法(80・150共通)
重 要 事 項
「YTフリーザー」は冷却室が密閉状態でなければ正常な温度制御はできない設計になっています。
ハッチ開閉は可能な限り時短を意識してストローの出し入れや植氷作業の馴致をお願いします。
植氷後にストローを引き出しての氷晶確認は重篤な外乱障害に成り得ますのでお勧めしません。
加えて 80Hz微細振動下でのストロー内氷晶は透明感があって視認が難しい傾向にあります。
また、1ヶ月以上電源オフ期間が続くとタッチパネル内のバックアップ電源が消失します。
使用しない期間も20日間隔で5~6時間ほどメニュー画面の状態で放置することをお勧めします。
万が一消失した場合は弊社より復旧用データを圧縮ファイルで送りますので展開したの後に
復旧用USBメモリーを作成して頂き電話レクチャーにて復旧処理操作をご指導いたします。
STEP 1
準備
- ・振動吸収スポンジシートの上に本体を置く
- ・無停電電源装置(必須ではない)を経由してAC100Vを確保する
- ・必要に応じて冷却室カバーを外してストローラックの位置を調整する
STEP 2
プログラムモードの設定
- ・タッチパネルでプログラムモードを押す
- ・保存プログラム(内部メモリー)を押す
- ・保存リストの1~10からプログラムを選択
STEP 3
詳細の確認・凍結開始
- ・▶を順次押しながら各ステップの内容を確認する
- ・「プログラム終了後処置」は【制御OFF】を選択
- ・「測温データを記録しますか?」は【NO】を選択
- ・「プログラムモードを開始します」が表示され、画面下部が【パラメータ転送完了】になったら「開始」を押す
STEP 4
工程の確認・凍結終了
- ・途中でステップごとの設定値が確認できます。
- ・全てのステップが完了するとユニットは自動停止してプログラム終了画面になります
- ・「終了」を押すと初期画面に戻ります。
- ・結露がある場合は冷却室カバーを外してアルコール綿などで拭き取ってください